Net Exhibition “BOOK HOUSE”
2006.03.10 /見積り出し

いよいよ「見積り出し」である。

前回の打合せを元に図面を修正し、施工業者に図面を渡した。
見積する施工業者は札幌市内の工務店3社にお願いした。
各社とも約2週間で見積が上がってくる予定だ。

今回のようなマンションリフォームの場合、図面だけでは判断できない部分が多くあるので、各業者に現地を確認していただいた上で、見積作業に取り掛かってもらう事になった。
建築家1のコメント
やっと業者に見積図面を渡す。

クライアントには申し訳ないがちょっとここで一息つける...と言う感じだ。
見積期間は大体10日から2週間...。
提出日が近づいて来るに従って、逃避から現実に戻される。
その間、何もしないでいる訳では到底あらず、予算があわなかったときの減額変更案などを頭の中で作り上げている。

「予算が合わない。」ことが一般的に多いです。
現実的な図面を作成していくと、仕上げ・金物・家具等々...いろいろとクライアントの欲望もふくらんできます。

これは当然のこと、だから、最初のプランが肝心なのです。
簡単にいうと規模と形が大事。あとでは変えられませんから。
ある程度の予算オーバーは、設計内容の見直し=無駄な部分をスリム化する作業になります。
減額変更の作業というのは、クライアントだけではなく私達にとっても辛い作業なので、出来る限り絞り込んでます。

でも安心して下さい。
予算調整で盛り上がった夢が一気に現実に戻されても、住宅が出来上がった頃には最初のイメージと何ら変わらないことを私達は知っているのですから。

見積出しをしてから、私は二度、業者の現地調査に立会った。
図面にはない隠し球がないか特と見てもらう。
よろしくお願いしますね。
建築家2のコメント
実施設計が終わり、今度は「見積り出し」である。

見積をお願いする業者は、当初2社の予定だったが、1社増やして3社にした。
金額調整のことを考えると、色々比較できるほうが良いので、急きょ増やした。

業者の選定理由は以下のとおり。
・このリノベーションを面白いと思ってくれそうな工務店。
・工事中、マンション住民に対しての気遣いなど、気の利くしっかりした担当者がいること。
・設計事務所の仕事をやったことがある工務店。
・今までの経験上、比較的安く見積ってくれそうな工務店。

ということでその3社は、「S工務店」、「M建設」、「A建築」と言います。

実はそのうちS工務店は、今回はじめて見積をとる業者さんです。
建築家1の知合いで、大手ゼネコン→大手ハウスメーカーを経て、去年独立したばかりですが、実績を作るべく日夜がんばっています。
個人的にはこの工務店に期待したいところだが、なんせ、金額が合わないことにはどうにもなりません。がんばってほしいです。

さて、この「BOOK HOUSE」は普通の新築工事とは違って、リノベーションです。全面改修です。
既存図面があるとはいえ、いざ壊してみてビックリという事が少なからずあるでしょう。
しかし、そのような事態は極力減らしたいし実際図面だけでは良く分からない部分もあるので、今回の3社には見積前に現地を見ていただく事にした。

昨日は「S工務店」、今日は「M建設」と「A建築」にそれぞれ別々の時間に現地に来ていただいて確認。
部分的に壁を壊したり、床をはがしたりして、配管ルート等を確認した。
クライアント1のコメント
長い。

こんなに長い1週間は久しぶりだなー。ただ待つのみ。ひたすら待つのみ。

見積額は予算をオーバーする。これは建築業界では鉄則のようだ。
どんな経験談を見ても、見積額が予算を下回って、グレードを無理矢理上げたとか、浮いた予算で車を買ったとか、そんな素敵な話は出てこない。

これまでは夢を語っていたけど、施工業者さんが突き付ける現実は、どれほどの予算超過なのか。
まぁ、とにかく、設計案や模型が出来上がるようなワクワク感はないわけですが、ドキドキ感はどっしりと胸に来ますな。

それにしても長い長い日々が続いてます。
人事異動があって少し凹んだりなどしてますが、その間にも、分厚いカタログはどしどし届くし、家とかインテリア本はどんどん買っちゃうし、他人の家づくりブログを読み耽ってしまったりと、相方にかなり白い目で見られております。
クライアント2のコメント
ただ待つのみです。

「感触どうですか」と聞きたいのはやまやまだけれど、とにかく待つ。
どんな結果が出てくるのか想像もつかないだけに、堂堂巡りの考えをアタマに浮かべては嘆息するのみ。待つ身は心配ばかり募ります。

「解体に結構お金かかるとかいってたなー。予算の倍、そこまでいかなくても5割増しとかで来たらどうしよう」とか、「見積もりの調査で、設計に響くような構造上のサプライズが見つかったりして。。。」とか。
さらには、出てきた額が予算とあまりにもかけ離れているとスケジュールが押しちゃうなーという心配もある。

もちろん、最初に「この際、心ゆくまで」と話してある気持ちに今も偽りはないし、どちらかというと「早くBOOK HOUSEの実物を目にしたいよー。住みたいよー」という焦れにも似た気持ちが募っての心配なのですけど。

ただねー。Pマンションのローン&管理費、現在住んでいるアパートの家賃で毎月ガコンガコンと音をたてて減っていく貯金の残高を見るたびに、ちょっと心臓が縮むような。。。

いやいや、そんな肝の据わらんことではいかん!これから工事費の見積もりも出てくるというのに!

あっ。工事費。。。倍とか。。。

というわけで思いは千千に乱れ。
▲M建設の現地調査の様子