敷地は札幌の双子山という自然豊かな場所でありながら、幹線道路に面している住宅街である。交通量も比較的多く騒音もあるため、雑踏を気にせず生活できるような家を提案した。

1階に1台分の駐車場と予備駐車スペース兼車の切り返しスペースを用意すると、必然的に建物がセットバックする事となったが、それだけでは前面側の雑踏からは逃れられないため、木塀や植物を植えて緩衝帯にするという解決方法ではなく、もっと強さと程よい透け感を兼ね備えた素材を建物自体に組み込めないかと考えた結果、レンガの透かし積みに辿り着いた。

住み手の好みともマッチしたため採用となり、二つのアーチとともに特徴的な外観を形成することとなった。

１階は駐車場と玄関、主寝室、クローゼット、予備室、洗面と浴室を配し、２階はリビングダイニングキッチンと子供部屋という構成になっている。

住戸部分とレンガ壁の間はテラスになっていて、前面道路の存在をほとんど気にすることなく、前方の山々や自然を楽しむ事ができるように設計されている。

写真：酒井広司