事務所のスピーカー事情②
つづき。
興味のない方はほんとスルーでお願いします。
それは突然やってきました。
つい先日のことです。
長年プライベートでもお世話になっているお客様(Yさん)からの電話です。
「大塚さん。スピーカーいりませんか?」
「アンプは新しくなったし、うちのオーディオって今 結構いい状態なんですけど・・・・。」
という思いが瞬時に頭に浮かんだんですけど、Yさんは結構熱く語ってきました。
「アルニコで、もう今は手に入らない物なんです。いい音ですよ。」
同時にLE8Tとか2115とか、暗号のような文字列を聴かされたのですが、何の事だかさっぱり分からない。
その後すぐにメールで写真と追加情報が送られてきた。(見るからに古い。)
解読すると、要するにYさんが私に託そうとしているこのスピーカーは「名機」らしいのです・・・・。
やばいよ。。。いくらかかるんだろ。。。「あのお店に設置されていたスピーカー、そんなにいい音だったっけ・・・?」
とりあえず即答は避け、置き場所も考えなくてはならない旨を伝え、「1週間程度検討させてください。」と返事した。
その後、社内会議(二名ですが。。)は紛糾し答えがなかなか出ない。
よくよく調べてみると、確かに良いものらしい。
だが1970年代前期に発売されたスピーカーなので、今まで事務所で使っていたものより更に10年ほど古いことになる。そんな古いスピーカーってどうなのよ?
要するにビンテージ・スピーカーって事?真空管アンプにはめちゃ合いそうだな・・・。
でもいろいろ調べてみると、今はヨーロッパ系の小ぶりなスピーカーでもかなりいい音の物があるみたいだしそっちの方が良いんじゃないの?
ていうか。今スピーカー変える必要ある??
間に合ってるでしょ!
Yさん曰く「見てくれはそれなりですけど、音はいいですよ。。。」との事。しかも広島にあるメンテナンス専門店でエッジや内部配線を新しくしているそう。。。「値段は大塚さんの言い値でいいです。」
結局購入を決断したのですが、Youtubeとかでこのスピーカーを鳴らしている映像とかを見てもかなりいい音してるのが分かるし、何より諸事情でこだわりのスピーカーを手放さなくてはならなくなったYさんの気持ちにも応えたいし、みたいな理由です。
そして設置してつないでみた。
1台20kgくらいの重さですかね?結構重いです。
3階まで一人で運んで、あっちが良いかな?こっちが良いかな?棚の上に置いてみたり。。。(二日後、腰痛めました。。。笑)
さて、このスピーカーの正体は、SANSUI MONITOR 2115というものです。
オーディオ界ではサンスイのアンプとか結構有名でしたが、当時サンスイがJBLのスピーカーを輸入していたらしく、この製品はエンクロージャー(箱)はサンスイの物で、メインのスピーカーユニットはJBLの2115というフルレンジユニットで、ツイーター(高音用ユニット)JBL 2405が追加されたグレードアップモデルのようです。
メインのユニットであるJBL2115は名機と言われる「JBL LE8T」のプロ仕様版らしく、全体にフラットで低音から高音までクッキリ聴かせます。特にツイーターのおかげで高音の伸びと美しさがとても気持ちいいですし、元々LE8T系はフルレンジで中低音に定評があるようで、サックスの音とかボーカルはかなりいい感じです。
しかしまあ、、こんなに古いスピーカーからこんな音が出るとはね。。。
ちゃんと楽器の音が鳴ってる。
個人的には私の乏しいオーディオライフの中で今が一番です。これから膨大な量の音源達をひと通り聴き直すことを考えると、人生まだまだ楽しみがいっぱい。って感じです。。。
ジャズボーカリスト=カーメン・マクレエの新宿ダグにおけるピアノ弾き語りのライブ盤があるんですが、これは私が勤めた設計事務所の所長のおススメで、「爪の音まで聴こえるぞ」と言われていました。
購入してもう20年以上たちますが、今までそんな爪の音なんて聴こえたことが無かった。
でも何やらカチカチと爪のような音が聴こえます。
爪を伸ばしていたカーメンが鍵盤をたたくたびにその爪が鍵盤に触れてカチカチと音を立てるのです。
やばい世界だな・・・。
深入りするのは止めておこう。。
以上
(お)