今月の初めにちょっと東京へ行ってきました。
もう半年以上も前に決めていたことです。
6/3　よみうり大手町ホール　『BRAD MEHLDAU ソロコンサート』
札幌には来てくれないようなので、チケットを取ってしまいました。。。
新しい「よみうり大手町ホール」も見たかったし。。。

マニアックな話です。
ジャズピアニストです。多分ジャズの世界では今一番重要視されているピアニストだと思ってます。

初めての出会いはもう２０年以上も前の話になるでしょうか。。。
私が修業時代を過ごした設計事務所に話はさかのぼるのですが、事務所内では常に音楽が流れていました。
ラジオではなくみんなCDを持ち寄って、ずーーと朝から深夜まで何かの音楽を流していました。
（日中はボーカルの入った曲は流さないという暗黙のルールがありました。。。）
私は当時ジャズとロックが中心だったんですが、所長の中井さんはジャズマニアで、どこで探してきたんだろう？っていうような珍しい格好いいCDを突然流したりしていました。

突然です。ある日突然その音楽は事務所内に流れ出しました。
いつもそうですけど、初めはただ何となく耳に入ってくる。
気にも留めませんでしたが、だんだんと異変に気付きます。

「なにこれ？」
「誰これ？」

所長（所員はみんなそう呼んでいた。）がいなくなった時を見計らって、CDプレーヤーのある所長ブースに行くと青いカッコいいジャケットのCDが１枚置かれていました。（上の写真）

「ブラッド・メヒ？・・・・。」読めない！
中のブックレットを開いても輸入盤なので内容が分からない。
「誰なんだこの人は！！！」

それから夜な夜な調べまくりました。
この日かかったCDは1999年に発表したブラッド・メルドーの『エレゲイア・サイクル』という（多分）初めてのソロピアノアルバムでした。普通はトリオでやってます。

それから友達にも薦めました。
「あのさあ、すごいピアニストがいるんだよ！うめき声を上げないキースジャレットみたいなさーー。」
でも的を得ていなかったと思います。

やっぱりファーストアルバムが聴きたいよなーーー。
今みたいにspotifyとかでガンガン聞けるような環境にはないし、そもそもCD買うタイプなので即購入しました。
そして、事務所で意気揚々かけました。（所長のいるところを見計らってね。。。）
そしたらすぐに所長が近くにやってきて開口一番。

「誰よコレ！」（いつものちょっと怒り口調）
「えっ？所長も持ってますよね。この人の！」

確かこんな会話がありました。いい時代です。懐かしいです。

気づいたらこんなになってました。基本トリオですけど、チャールズロイドのバンドにピアノで入ってるやつ（めっちゃ名盤です！）とかパットメセニーとのデュオなんかもあるし、最近は若手のドラマーとのデュオでエレクトリックのやつなんかもありますね。
確か2001年には道新ホールにも来ていて、ちゃっかり見に行ってますけど、それ以来北の大地には来ないんですよね・・・・。

という事で、2019年東京です。
トリオとソロと選べたんだけど、このホールを見てみたいという気持ちもあって、ソロコンサートのチケットを取りました。
結果は大正解！！

このホール。ニッチ状の吸音壁に照明が仕込んであって光るはずなんですけど、結局最後まで照明は点灯してくれませんでした。ちょっと残念。

設計は日建設計。私の大学の先輩が担当していて、ライブの後神田でなぜか一緒に中華を食べました・・・。

セットリストです。
いつから日本人はセットリストって言い始めたんですかね？曲順ですよね。曲順。。
前半はとてもとても難しいオリジナル曲が続きます。独演会です。
後半は突然ビートルズの曲が続き、相方は「ブラックバード」でもうダメだったみたいです。泣きました。
私は次の「アンド・アイ・ラブ・ハー」でダメになりました。。（笑）
ビートルズのかなり初期の頃の曲ですね。コードがめちゃめちゃ簡単で学生の頃これでギターの練習しました。（私はいまだにギター弾けませんけど。。。）
その曲がこうなるの？？？ってぐらいかっこいいんですよ。
途中からはもう別の曲になっちゃったんじゃないの？ていうゆくらいの美しい旋律の世界へと導かれていきます。
そこで自然と涙があふれてきました。

素晴らしい夜。
４、５回のアンコールにこたえてくれましたが、結局メルドーさんは一言も言葉を発しないで、何度も深いお辞儀をしてステージを去りました。
来てよかった。。。

以上です。

動画を見つけましたので貼り付けておきます。
https://youtu.be/jpF0qKQ4WeE

それではまたーー。

（お）