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Net Exhibition “BOOK HOUSE” |
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2005.11.28 / 重要メール
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第1回プレゼンの2日後、クライアントからメールが送られてきた。
内容はこの計画を根底から揺るがす重要なものだった。
そこにはクライアントが建築家へ設計を依頼することへの重要な意味が含まれていて、なぜm+oに設計を依頼したのかという事が切々とうたわれていた。
「BOOK HOUSE」とは何か?なぜ「BOOK HOUSE」なのか?
そして後日意見交換をすることになった。
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建築家1のコメント
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最初のプレゼンは、クライアントの要望を聞き、じっくりと時間をかけ自分達なりにひも解いて形を作り出します。
もちろん自信を持ったプレゼンでもあり、これを元にしてクライアントの本当の「本音(住む上でのくせ=使い勝手の気になる部分や好み等々)」を聞き出すのもねらいなのです。
私達にとっての作品づくりとは、自分達のイメージしたものを一方的に提示するのではなく、クライアントの好みやスタイル・住まい方を重視した上での提案をしています。
と、書く事・語る事は簡単なのですが・・・重要なのは「会話」です。
今回のクライアントからのメールには本音が綴られていた。
自分達の住まい方だけではなく、建築家の真髄にも迫られた。
ということは、このプランの「何かが足りない」を読み解いて見抜かれたという気がした。
「何がコンセプトなのか聞きたい」と本質を問われることはそうそうあることではない。
会話ができる。良いものができる。
少し緊張しながら書いた文章を二人で確認し、返事をした。 |
建築家2のコメント
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確かに私の説明が不十分だったかもしれませんし、プラン自体に迷いがあったのかもしれませんね。
やはり耐震壁で空間が分断されてしまうという事がかなりショックで、そこからなかなか抜け出せなかったんですね。「BOOK HOUSE」という志は高くても、結果としては、かなり常識的なプランに落ち着いてしまった感がある。
クライアントから突きつけられた疑問はシンプルかつ的を得ていて、「BOOK HOUSE」って、ただの本棚の多い家なのか?というものだった。
「とにかく意見交換をしましょう」という思いをこめて、メールで返事を送った。 |
クライアント1のコメント
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左のメールの通りです |
クライアント2のコメント
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左のメールの通りです |
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▼クライアントからm+oへのメール(2005年11月28日) |
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m+oエム・アンド・オー
湊谷さま、大塚さま
こんにちは。○○です。
先日はありがとうございました。
興奮のままに土日と、二人でつらつら思うことを話してみました。
そしてなんと、私たちは一番大事なことを聞き忘れていた!ということに気づきました。
そう、なぜお二人が「BOOK HOUSE」を私たちに提案したかという点です。
ちょっと長文になりますが、お付き合い願います。
待望のプラン&模型に対面して、舞い上がって足元を見るのを忘れてたんですね。
住めるか住めないかも、もちろん実際問題として重要ですけど、私たちの住まいとして主張するもの=ユニークな点は何なのか。
そして、私たちのメモや資料を見て、お二人がなぜそれを「BOOK HOUSE」というものに見出したのか。
さらには、じゃあ「BOOK HOUSE」というものを、どういう意匠、趣向で表現するのか。
そういう過程をたどりながらオリジナルでユニークな住まいを作りたいと、
わざわざ単なるリフォーム業者ではなく、お二方にお願いをしたのだということを、すっかり見失っておりました。
これから共同作業をしていく上で、お二人の思考や家のコンセプトを共有することなく、実際問題としての暮らし方を詰めていくのは後々大きな禍根を残しそうな気がします。というか楽しみが減りそうな感じがします。
だからこそ、なぜお二人が「BOOK HOUSE」を私たちに提案したのか、改めて聞いてみたいと思います。
例えば、本がたっくさんある人ならいくらでもいるし、収納のために天井までの本棚を作るという発想も、まあわりとあると思うんです。
「BOOK HOUSE」と「本がたくさんある家」の違いは何なのか。
「本」あるいは「本棚」を主張するために、「BOOK HOUSE」にどんな装置なり仕掛けを用意してくれるのか。
あるいは私たちが用意すべきことはあるのか←例えば、本の冊数を数えるとか。。。
ちなみに、昨日トランクルームからマンションに荷物を運んだのですが、
本はみかん箱サイズ30数個ありました。。。
もちろん、自宅にもまだまだあります。。。
ちょっと話はそれましたが、「BOOK HOUSE」と「本がたくさんある家」の違いは何か。
それも「なぜBOOK HOUSEなのか」という問いに返ってくるものではないかと思うのです。
また、私たちが用意するものとして、心構えみたいなものもあるのではないか。
これは「BOOK HOUSE」のユニークなところなどが分かれば自ずと見えてくると思うのですが、その住まいを生かすために、私たちがどうあるべきか。
つまりはお二人が「BOOK HOUSE」の基本設計までに、僕たちの要望から捨てたもの、拡大したものが何であるかを知り、現実問題としてそれに対処していけるかどうかの検討。
そんなことも必要になってくるのかなと思っています。
(もちろん僕たちも全部の要望が入るとは思ってもいないし、取捨選択やデフォルメみたいなのは必要かと考えてます)
長文になり申し訳ありませんでしたが、次回の打ち合わせでは、そのあたり、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
事前に教えていただければ、次回の打ち合わせのときに、 さらに具体的・実践的なお話しに入りやすいかと思います。
最後になりましたが、住めるかどうかについては
・お風呂の湿気
・本棚がさらに不足するのでは
・ワーク(パソコン)スペースが欲しい
・衣服収納は十分か etc
などがあがりました。
日時につきましては、明日29日夜、12月3日の夜以外であれば、いつでも結構です。
もちろん平日だと夜になりますが。。。
お忙しいところ申し訳ありませんが、何とぞよろしくお願いいたします。 |
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▼m+oからクライアントへのメール(2005年11月29日) |
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こんにちは、m+oの大塚です。
メールありがとうございます。
○○さんの気持ちがひしひしと伝わってくるメールでした。
そうですね、私達も、もしかしたら、「BOOK HOUSE」のコンセプトというか、イメージをきちんと伝えていなかったかもしれませんね。
お二人の文章や、スクラップブックや、今までの打合せでの会話などから、「BOOK HOUSE」という家=ライフスタイルがでてきました。
なぜなら、「本」がお二人の、○○夫妻ならではの特殊な共通事項だと思ったからです。
単に量が多いと言うだけではなく、生活の場と「本」がとても密接な関係にあるんだと考えました。
プランを進めるにあたって、それを念頭にして考えていったんですが、正直もう少し過激であってもよかったのではないか、とも思っています。
夜二人で晩酌するくつろぎの空間、ゆっくりとした時間を過ごすバスルーム、じっくり勉強するための書斎スペース。
幾つかのキーワードとイメージが、浮かびましたが、「本」の中で、あるいは「蔵書の森」の中で生活するイメージを作りたいと思っています。
しかし、○○さんがおっしゃるように、「BOOK HOUSE」って、ただ本棚が多いだけの家なの?
そういう意味での過激さが足りなかったかもしれません。
例えば、本棚のユニットがあって、自由に組み替えられる本棚。
将来、冊数が増えるにつれて、ユニットを増やしていける本棚。
どうしたら、文庫がかっこよく収納できるのか?背表紙のない雑誌をどうやったらきれいに並べられるのか?
もっと突き詰めて考えなくてはならないと思います。
そのためには、蔵書の種類や冊数を数えてもらわなくてはならないでしょう。
各部屋ごとの分類も考えなくてはならないでしょう。
それによって、本棚のデザインが決まってくるかもしれません。
ただし、もしかしたら私たちが勘違いをしている事もあるかもしれません。
もしそうなら、率直に言ってください。
前提条件が変われば、自ずとコンセプトも変わる事になりますので。。。
打合せの日程ですが、今週は実は結構忙しく、週末も打合せなどでいっぱいなので、来週、12/5(月)、または12/6(火)の夜いかがでしょうか?
お返事よろしくお願いします。
打合せ楽しみにしています。 |
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