クライアントからメールがあり、気になっているという中古マンションを見学することになった。
2物件あって、どちらも中央区大通付近に位置している。
物件Aは一般的な3LDK、物件Bはワンルームのオフィスのような空間で、m+oは雰囲気もよくリノベーションするにあたって自由度の高い物件Bをお勧めした。
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建築家1のコメント
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リノベーションをするために「気に入っている」というマンションを見学するという事で、まず「マンションA」に集合した。
大通りに近い「ススキノからタクシー2000円圏内」というクライアントの言葉にまさしく近いそのマンションの一室は、角部屋で玄関を入ると廊下をはさんだ向かい側に、窓がある個室が一列に並べられ、反対側は水回りスペースでお行儀良くこれまた並べて配置し、更に陽の入る突き当たりがLDKになっているという間取りだ。
風が強い日だったのもあるが、とても風通しが良く、健康的なワンルームになる可能性を秘めた物件だなと感じた。
次に見に行った場所は、知事公館の近くの昔モリエールが入っていたマンションに行く。エントランス〜ロビー〜ラウンジ〜エレベーターホールと、最近のマンションにはないゆったりとした広さで、瀟酒な古いホテルを思わせ、部屋の前のホールに到着するとこれまた雰囲気があり、わくわくしてきた。
もともと事務所として使われていた一室は、飾り気のない無造作な感じが私達の建築魂を揺さぶった。
「どうですか?風通しはあまり良くないですけど。」とのクライアントに対して答えながら、心の中ではもうこっちに決まっているなと感じ取ってしまった。
でも私の中では、マンションAも実は捨てがたい。あまり特徴のないようなつくりだけど、あまりに爽やかな陽当たりと風通しの良さも手伝って、外国のロフトをイメージしてしまい、実は心に残りながら今回の見学は終わり。 |
建築家2のコメント
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現地で集合することになった。
夫婦二人の住空間なので、なるべく部屋を仕切らないでワンルームの空間を想定しながら見学した。
まず物件Aは3LDKで、各部屋の間仕切りを撤去すれば、十分ワンルームを実現できると考えた。風通しも良く、いい印象を受けたが、難点は街の騒音と撤去費がかさむこと。
クライアントもこちらの物件は「いまいち」と感じている様子。
続いて物件Bは知事公館に近いちょっとお品のある街。何かの事務所に使われていた部屋らしく、広いワンルームとなっている。
このマンションは実際オフィスとして使用している部屋も多く、廊下などの共用部もオフィスっぽく、クライアント1の要望にある「探偵事務所」のイメージに合いそうだ。
バルコニーの一部がサンルームになっていて、クライアント2は目を輝かせていた。
難点は窓が南面の片面にしかないので、通風が悪いこと。これをどう改善するかがポイント。 |
クライアント1のコメント
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大変な掘出物件。(物件B)
普通の人(ってどんな人という突っ込みはなし)には魅力に乏しいけど、僕的には予算・場所・雰囲気と三拍子揃っている。
* 価格:750万円
* 西18丁目駅徒歩5分
* 面積:72.55u+11.20u(バルコニー)
* 雰囲気:築年月S49.7、総戸数120戸、1階にはレストランで渋いエントランス
築30年というだけで尻込みするところだけど、僕にとってはその風合いこそよし。いゃー、これで決まりだと。数件見ただけで意中の物件に出会えるなんてね。m+oさんも太鼓判だし。oさんはエントランスに使われているガラスが昭和レトロだとかモダンとか言って写真撮ってるし。
窓が1箇所しかないのは大いに気になるところだけど、そこが-10点として、他は+90点くらい。100点の物件なんてないはずで、差し引き80点なら買いでしょ、奥さん。誰よりも大乗り気。
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クライアント2のコメント
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物件Bは、確かによかった。マンションのリノベーションにもかかわらず窓のあるお風呂がほしい私にとっては特に、バルコニーのサンルームが何かおもしろい発想の種になりそうな気がしていたから。
ただ、窓自体が部屋の一方にしかないのは長期的に考えてどうなんだろう?それも含めて、m+oの二人にチェックをお願いした。
実はこの物件、それまでに4〜5回は見ていたんだけれど、なかなか決心がつかなかった。背中を押してください!という気持ちは多分にあったかも。
結果、背中は押され。その気になり。もうウキウキで、居酒屋で二人でノートを広げて、来るべき打ち合わせに備えて具体的に「どんな家がいいのか」イメージを改めて書き出すなんてこともしてたんですけど。ね。
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