敷地面積は約38坪で形は長方形。 東側には山が見え、南側はそびえ立った家と家との隙間から陽が差してくる土地。
この環境条件に対する私達の回答が、「六角形の家」でした。 この敷地の対角線方向がちょうど南側で、比較的開放的だった事と、狭い敷地の中で、平行に隣地と対峙することが、住空間にとってとても圧迫感をもたらすものと考え、敷地に対して約４５度、対角線の方向にリビングの軸線を置く事を考えました。 それと直行する方向が、山の見える方向で、もう一つの軸線ととらえ、この２つの直行する軸線をベースに、その内外にスムーズな居場所を作るために角を切り取る等の操作をし、結果外形が六角形の住宅が出来上がったのです。
内部は四角形のコアを作り、そのまわりを回りながら２階に上がっていく、らせん状の動線になっていて、進んでいく事で次から次へと、場面が切り替わって行きます。 １階はキッチン・浴室をコアにして玄関～リビング～洗面～トイレがあり、階段を上がると、２階のコアは衣類や布団など何でも収納できる大きな倉庫。その周りを主寝室～子供部屋が二箇所つながるように配置しています。 家の中をグルグル廻れる楽しい空間です。

名前は「六花ハウス」と書き、「りっかはうす」と読みます。

写真：酒井広司