新築

HOUSE-EN

2006年

所在地北海道苫小牧市

用 途住宅

構 造木造2階建

規 模112.82㎡

事の始まりはいつものように1本のメールからだったと記憶している。
苫小牧のSさんという方から・・・・。
確か中学校の時となりの教室にS君っていたよなあ・・・・と思いながらまさかと思いつつ、面会することが決まった。

敷地は苫小牧市内から少し離れた新興住宅地にある。私が小さかった頃はこのあたりには建物は一切なく、父に連れられてハスカップを採りに来た記憶がある程度である。いまでは新しい中学校も建ち、敷地の南側に大きな公園がある。

クライアントからそのときどんな要望をいただいたか、実は今となってはあまり記憶に残っていないのだが、ご夫婦のやわらかい雰囲気に合った、ほのぼのしたやわらかい家を造りたいと思ったと思う。

でも結果的に出来上がったものは、地面からちょっと浮いた木製の箱船のような形をした家だった。

そして、宮の森の事務所にやって来たSさんのご主人はやっぱりあのS君だった。

敷地と公園との間には遊歩道が通っていて、敷地へは北側の道路と、南側の遊歩道の両方からアプローチすることができるため、南北の道のつなぐように路地のような庭と、それに平行するポーチを兼ねた細長い“縁側”を設けた。

内部は、“縁側”に沿って細長い土間があり、それを介してリビングに上がったり、外に出たりすることができる。

1階はLDK、和室、寝室、クローゼット、トイレ、洗面、浴室など。2階は子供室とフリースペースを配置し、リビングに設けた吹抜けから陽の光がふりそそぐ。

床は主にパインフローリング。壁・天井はビニールクロス。
外壁はカラマツ羽目板とガルバリウム鋼板を貼り分けている。

写真:酒井広司